お手入れ処

着物を脱いだ後の
チェックポイント
まず、着物を吊るします。着物の生地は絹の特性により体温で伸び縮みしますので、ハンガーに掛けて吊るすことがとても大切です。できればきもの専用のハンガーを使用しましょう。

全体のチェック
- 衿のファンデーション汚れ
- 汗じみ(両胸・背中)
- 泥ハネ(後身頃)
- 帯胴回り
- 雨じみ(肩・背中・裾)
- キズ、ほつれ
- 穴あき
Q&A
- きものを汚してしまったら?
- どんな小さな汚れでも、自分で落とさず汚れた状態のまま、いつ和グループにご相談ください。
その際、汚れの原因を伝えるとスムーズです。
- 虫干しってなに?
- きものに風を通して湿気を飛ばし、カビや虫からきものを守る技です。
晴天が二日続いた翌日の晴れた日の午前中~3時くらいが良いでしょう。
- 譲り受けたきものが派手すぎる…?どうしたらいいの?
- きものの良いところの一つに、「長く着れる」ということがあります。代々伝わるきものや譲り受けたきものをお持ちの方もいらっしゃいます。いつ和グループでは、その様なきものを仕立て上がった状態のまま染め上げる丸染めをお勧めしています。
- 母のきものを着たいけど、寸法が合わない…?
- きものは本来、あつらえ物、洋服のフルオーダーと同じですから、ご自分の寸法に合ったものを着たいもの…。いつ和グループでは、専門のスタッフが一つ一つ丁寧に合わせた寸法直しをご提案いたします。
おきもの汚れ一覧
ついて間もないシミ・汚れ
ファンデーション汚れ (油性)
付着した直後はベンジンで簡単に落ちます。
衿はファンデーションだけではなく、汗も加わって変色していきます。
着用後はできるだけ早く処置しましょう。

飲食物のしみ (水性・混合)
飲食物のシミは丸洗いだけでは落ちず、しみ抜きが必要になります。
飲み物のしみは乾くと見えなくなるものがあり、特に糖分を含んだ日本酒やビールなどは半年ぐらいで変色することがあるので要注意です。

皮脂汚れ (混合)
袖口や衿元に見られ、汗やほこりも混じります。
料金:1,100円(税込)~
床のほこり (混合)
床や空気中の様々なほこりや汚れで、裾が汚れてしまいます。
料金:3,300円(税込)~
汗じみ (水性)
付着した汗の成分が空気中の湿気をひきつけるため、大きなシミになります。
料金:「テニスボール大」2,200円(税込)~黄変が始まっている場合は、「テニスボール大」4,400円(税込)~

泥はね
小さな輪じみ状の汚れが散らばり、しみのふちが濃く見えます。
料金:「点々と4か所」1,650円(税込)~
雨じみ (水性)
うっすらと流れたようなしみができます。
料金:「肩から袖に掛けて」4,400円(税込)~
血液・肉汁などのタンパク質 (水性)
酵素を用いて落とすので、きついしみは記事が傷みやすく早い処理が必要です。
料金:「点々と数か所」2,200円(税込)~
インク類 (油性・水性)
顔料や染料を含んでいるため、熱を加えたり時間が経つと、しみ抜きが難しくなります。
料金:「4cm程」2,200円(税込)~
時間がたったしみ・汚れ (黄変)
黄変は放置しておいたしみや汚れが参加して起こる現象です。
黄変は黄褐色のしみに見えますが、洗ってもしみ抜きしても落とすことができません。
黄変は、繊維の変色のため、漂白脱色と色掛けで直します。
ある程度きれいに直せる黄変 (柄がない部分の黄変)
料金:「小指の爪大」3,300円(税込)〜
顔料を吹き付けて覆い、目立たなくする黄変 (柄の中の黄変)
料金:6,600円(税込)~
着用して分からなくなる程度に直せる黄変 (まわりに地あきの柄がある黄変)


修復の難しい黄変 (緻密な絣模様や小紋柄の中にある黄変)

しみ・汚れ・黄変以外のトラブル
色ヤケ・退色
さまざまな理由による染め色の変色をいいます。


カビ
カビは点々と斑点状に密集あるいは分散します。特有のカビ臭さがしたら要注意です。

スレ
生地の表面が白っぽく見えますが、色落ちではありません。
絹繊維特有の毛羽立ち現象です。

箔落ち
箔の接着不良等により剥がれ落ちた箔を、周りの色柄と調和させ、修復・補正します。
料金:4,400円(税込)〜
穴あき・焼け焦げ
かけはぎや裏に共布を当て、箔直し・柄足しなどで対応します。
料金:8,800円(税込)〜
刺繍ほつれ
止め糸のほつれを直すか、新たに刺繍しなおします。

紋泣き
染め紋は保管中の湿気などで、紋の周りがにじんだり変色したりします。
料金:6,600円(税込)〜
帯に特有のトラブル
金銀糸が変色し、剥離していることがあります。

全体のうっすらした汚れ
丸洗い
袖口・衿などをブラシべ部分的に予洗いしたのち、機械で本洗いします。

洗い張り
本仕立てのきものを解き、洗剤を用いて水洗いをし汚れを落とす洗濯法です。
洗った後に糊付けをし、板に張ってシワを伸ばしたことからこのように呼ばれています。
